渡辺真弓ようこそ劇場へ

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No.2

新国立劇場開幕公演『パゴダの王子』見どころ 第2弾

繊細かつ大胆な美術・衣裳

『パゴダの王子』見どころ 第2弾 『パゴダの王子』見どころ 第2弾 『パゴダの王子』見どころ 第2弾 『パゴダの王子』見どころ 第2弾
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 『パゴダの王子』の制作も着々と進行しているようです。今回は、新国立劇場からご提供いただいたレイ・スミス女史による舞台美術と衣裳のデザイン画をご紹介しましょう。  まず美術は、全体に非常にダイナミックな印象です。とかげを全面に描いた背景画や、富士山に雲が浮かぶ風景には、日本と中国をミックスしたような異国的な雰囲気が感じられます。さらに、第2幕の『パゴダの国』では、バリ島の要素を取り入れ、異国情緒と神秘性を高める工夫が凝らされるそうなので、仕上がりを楽しみにしたいところです。  衣裳については、さくら姫と皇帝の衣裳は、それぞれ桜の花や富士山のイメージから発展したデザインになるようですが、繊細なセンスに溢れたものになりそうです。興味深いのは、妖怪たちで、歌川國芳の浮世絵から想を得たものでしょうか。このようにユーモアを感じさせる妖怪たちが舞台に登場したら、本当に面白そうですね。

多彩なソリスト達

小野綾子 福岡雄大

小野綾子 / 福岡雄大

長田佳世 芳賀望

長田佳世 / 芳賀望

米沢唯 管野英男

米沢唯 / 管野英男

 当初発表の主要キャストの一部が変更になりましたので、改めてキャストについてご紹介しておきましょう。皇帝役の津村禮次郎が降板となり、代わりに堀登が出演することになりました。皇帝役の動きの中にバレエ的要素が増えてきたため、バレエのトレーニングを受けた踊り手に代わることになったのだそうです
(但し、津村は、所作・衣裳・小道具等、プロダクションのアドバイザーとして協力)。
また、王子役を降板した山本隆之の代役として芳賀望が、芳賀に代わって東の王役には、奥村康祐が抜擢されました。芳賀は、今年1月の『ラ・バヤデール』でソロル役を好演し、今勢いに乗ったソリストの一人。奥村は、今シーズンから新国立劇場のソリストとなり、最近では、日本バレエ協会の『ドン・キホーテ』のバジルや、小林紀子バレエ・シアターの『マノン』のレスコー等で著しい活躍を見せています。
主役のさくら姫、初日を演じる小野絢子は、このところ新国立劇場のグランド・バレエの主役を次々と務め、先シーズンの最後には、『ロミオとジュリエット』で熱演を繰り広げ、バレエ団の看板スターともいえる人気プリンシパル。今回の公演ポスターでも、可憐な笑顔を見せていますが、新境地が期待されます。 交替でさくら姫を踊る長田佳世と米沢唯の新進ソリストも、実力派だけに活躍が楽しみです。
王子役の福岡雄大は、今年はソロルやロミオという大役をこなし、見るたびに成長を伺わせているソリストです。交替の菅野英男は、『ロミオとジュリエット』のベンヴォーリオなどでセンスの良い踊りを披露しています。両名とも、十分抜擢に応えてくれることでしょう。
女王エピーヌは、湯川麻美子、川村真樹、本島美和の三人のプリンシパルの交替。これまで演じてきたプリンセスのような役柄とは異なる悪役への変身ぶりが注目されます。

<公演日程>

渡辺真弓

舞踊ジャーナリスト 10歳でバレエを始め、大学で舞踊教育学を専攻。 オン・ステージ新聞社編集部勤務を経てフリー。 1991年〜2006年パリ在住。専門誌紙や公演プログラム等に寄稿。 公式ブログ→www.nntt.jac.go.jp/

著書