佐藤まいみ(彩の国さいたま芸術劇場プロデューサー)ロングインタビュー ~彩の国さいたま芸術劇場のダンスプログラムこの10年の歩みと2016年~2017年度ラインアップを語る

 佐藤まいみさんは1980年代にフランスでダンスの制作に携わり、帰国後横浜市開港130周年記念「ヨコハマ・アート・ウェーブ’89」アーティスティック・ディレクターに就任。以後、神奈川国際舞台芸術フェスティバルプロデューサー(神奈川芸術文化財団)、「フランスダンス’03」フェスティバル代表プロデューサー、「Dance Dance Dance @ YOKOHAMA」ディレクター(2012年&2015年)などの要職を歴任されてきました。2005年にフランス文化勲章オフィシェ受章。現在は彩の国さいたま芸術劇場プロデューサーとしてダンス公演のプロデュースに当たられています。近年のさいたま芸術劇場でのお仕事や2016年~2017年のラインアップについて伺いました。

取材:高橋森彦(舞踊評論家)

佐藤まいみ photo:宮川舞子

彩の国さいたま芸術劇場に赴任する

 埼玉県芸術文化振興財団からプロデューサーとして迎えられたのは2005年。その前に神奈川芸術文化財団での仕事を振り返っていただいた。

 「ピナ・バウシュの『カーネーション』でオープニングを飾りローザスの初来日公演(『ミクロコスモス/バルトーク』『ムーブメント他/リゲティ』『弦楽四重奏第4番/バルトーク』)で幕を閉じた「ヨコハマ・アート・ウェーブ’89/国際舞台芸術フェスティバル」の2回目を続ける手だてを探っていた1990年代初頭は、日本各地に音楽や演劇の専門劇場を建設する動きが始まっていた時期でした。その頃の公立劇場は県や市といった地方自治体が直営していて、いわゆる貸し館事業がメインだった。時代に見合った文化事業を円滑に進めるためには、貸し館中心から自ら企画しプロデュースする自主事業にシフトする必要があるという議論が盛んだった時期でもあったのです。そのための運営母体として官民一体の第三セクターで文化事業団を創ろうという動きが日本各地で活発になっていました。
 そんな中、神奈川芸術文化財団は1993年秋に発足したのです。翌年の1994年秋から国際舞台芸術フェスティバルに取り組む方針がでていて、このフェスティバルのダンスと次世代型パフォーマンスプログラムを企画・制作するプロデューサーとして迎えられました。フェスの名前は「神奈川国際芸術フェスティバル」と変わっても事務局があった県民ホールは横浜市内ですから、私としては最初の頃は第2回目の「ヨコハマ・アート・ウェーブ」という思いでした。94年秋の第1回フェスのプログラムは、フランクフルト・バレエによるフォーサイスの、今やレジェンド作品になっている『アーティファクト』、勅使川原三郎がフランクフルトで創った『Bones in Pages』の日本初演、フィリップ・ドゥクフレの初来日公演、ダムタイプの『S/N』日本初演などで若い世代のアーティストや観客からの反響が強かったです。
 財団オフィスが入っていた神奈川県民ホールは2200~2400人の観客を収容する劇場で、同時代に生まれる新たな試みが入ったダンス作品をやるには規模が大き過ぎるものが多かったため作品によっては赤レンガ倉庫ホールやランドマークホールも借りて乗り切りきっていました。色々な制約はあったもののこのような方向性で10年ほど続けていました。ところが2004年頃に神奈川県が指定管理者制度を県民ホールに適用しようとする動きが出てきました。この制度のもとでは県民ホール以外を会場として使用することができないと分かって企画に限界を感じていた頃、彩の国さいたま芸術劇場からお話をいただきました」

ヤン・ファーブル『わたしは血』 photo:Arnold Groeschel

 彩の国さいたま芸術劇場(埼玉県さいたま市中央区、最寄り駅はJR埼京線の与野本町駅)は1994年に開館。ピナ・バウシュ、ウィリアム・フォーサイス、イリ・キリアンら世界的な振付家が率いるダンスカンパニーが次々に来演していた。

 「私もちょっと遠いなあと感じながらも横浜から観に通っていました。大ホールは客席数が700人規模。それに対してステージは間口、高さ、奥行きが十分にあって客席とステージの距離が近く、身体表現であるダンス公演にとってはやる側にも観る側にも理想的な空間でした。リハーサルルームも充実しているし、そこで作品を創るための技術スタッフも常駐していました。これらはすべて神奈川県民ホール時代に『あったらいいなあ』と切望していたものだったので、そんな環境に入れて嬉しかったですね。ただ、それまで制作業務は外部業者に委託していた部分が多かったみたいでした。当時の劇場運営を巡る時代の趨勢もあって技術スタッフ同様、専任のプロデューサーや制作スタッフも劇場内に必要という変わり目の時期だった。こういったタイミングでプロデューサーとして迎えられてラッキーでした」

ヤン・ファーブル『わたしは血』 photo:Arnold Groeschel

 実際にプログラミングを担当したのは2006年4月から。第1弾は公演ではなく「video dance 2006」だった。

 「神奈川時代にはなかった映像ホールがあったので活用しようと。ピナ・バウシュやローザス、イリ・キリアンの作品をそれまで連続的に招聘していた劇場ですから、ここで20世紀のダンスの歴史を追ってみてもいいかなと。video danceの世界的な先駆者であり友人でもあったポンピドゥー・センターのミシェル・バルグ氏の協力も得て、6日間で60本のダンス公演の映像、創作過程を追ったドキュメンタリー、パフォーマンス映像などを観ることのできるプログラムにしました。日本では観る機会のなかったピナが65歳以上の人に振り付けた『コンタクトホーフ』や、ダンスに限定することなく強度のある身体表現やイメージが際立つ演劇で知られていたタデウシュ・カントールの『死の教室』なども入れました。『今これ面白いね』というだけでなく、20世紀の世界のダンスの変遷と現在を映像で一気に観ていただきたかった。
 この企画は、その後も規模はまちまちでしたがテーマを変えて続けてきました。でもピナやシルヴィ・ギエムのものをやれば観客が注目していっぱいになるのに、若手の冒険精神あふれる実験的な作品のプログラムを組んでもあまり観に来ていただけない…。埼京線しか通っていない与野本町という場所では知名度が高いものをやらないとお客さんが足を運んでくれないんだと思い知らされました。この体験は、その後プログラムを組む上で意識せざるを得なくなってしまいました」

ヤン・ファーブル『主役の男が女である時』 photo:Arnold Groeschel


埼玉での新たな挑戦

 就任当初のラインアップを振り返ると、ヤン・ファーブル『主役の男が女である時』『わたしは血』、アクラム・カーン&シディ・ラルビ・シェルカウイ『ゼロ度』、ヤン・ロワース&ニード・カンパニー『イザベラの部屋』などが並ぶ。

 「確かに最初の頃はベルギー/フランドル旋風を巻き起こした担い手たちの作品を提案しました。2006年から芸術監督が蜷川幸雄氏になり演劇にフォーカスが当てられていったので、演劇・ダンス・美術などが渾然一体となって交錯する作品をもっとやってみようと。さいたまでは、それまでピナを別にすると、むしろ音楽寄りの抽象的な作品が多かったのです。私自身80年代にヨーロッパをベースに仕事をしていたこともあり、ローザス、ヤン・ファーブル、ヤン・ロワース(&ニード・カンパニー)、アラン・プラテルの作品に代表されるフランドル系の実験的な作品群――後にフランドル・ニューウエーブと名付けられましたが――を観続けていました。心身の状態を極限まで追いつめて出てくるリアルな表現を探っていたりする彼らの試みには心惹かれていましたし気になっていました。
 ファーブルの『主役の男が女である時』『わたしは血』を2006年と2007年にやっていますね。『主役の男が女である時』は女性のソロでエロティシズムとユーモアが同居するファーブルとしては珍しい作品。『わたしは血』は「血」が主役でシアトリカルなパワーがほとばしる強い作品でしたが、あらゆるシーンが絵画のようで美術家ファーブルの面目躍如な作品でした。ファーブルは自分の作品に出演するパフォーマーを「美の戦士」と呼んでいます。作品がほとんど演劇的なものでも役者としてダンサーを選んでいるところが興味深いチョイスです。
 ヤン・ロワースもダンサーを役者として起用しますね。ヤン・ロワース&ニード・カンパニーの作品が日本では全然紹介されていないと感じていたので、ロワース作品の中では出色だと思った『イザベラの部屋』をプログラムしました。シディ・ラルビ・シェルカウイはアラン・プラテルの『バッハと憂き世』に出ていた頃から不思議なダンサーだなと気になっていましたが、カーンと組んで創った『ゼロ度』はヨーロッパに住むイスラム系移民2~3世側の視点からのメッセージが感じられる素晴らしいデュオでした」

ヤン・ロワース&ニード・カンパニー『イザベラの部屋』 photo:Arnold Groeschel

 大物・著名アーティストと数多く仕事を共にし、数々の招聘公演やフェスティバルを成功に導いてきたが気を付けている点があるという。同時に埼玉では新たな挑戦を続ける。

 「それなりの規模の海外招聘公演の場合には振付家の名前だけではなく作品内容にもかなり注意を払っています。海外の創り手たちの日常の文化を共有しているわけではないので、私たちにはよく分からないものや共感しにくいものもあります。日本では入場料が安くないこともあって、お客さんは一度観てつまらないと思うと、もうその振付家の作品を観に来なくなってしまう…。そのあたりは気を付けざるを得なかった。
 その他には埼玉では神奈川でやってきたことをさらに発展させたものにできればと考えていましたね。たとえば、インバル・ピント ダンスカンパニーについては2001年、神奈川時代に『オイスター』を初来日公演として招聘しましたが、2008年にさいたまで上演した『Hydra ヒュドラ』は日本人ダンサーも交えて国際共同製作として企画・制作し、埼玉発信の作品としてヨーロッパ・ツアーも行いました。この劇場と劇場付きのスタッフがいたからできた仕事でしたね」

「日本昔ばなしのダンス」2006年公演より 珍しいキノコ舞踊団『へっこきよめ』 photo:Arnold Groeschel

 招聘公演のみならず日本人の振付家を起用した公演も始めた。「日本昔ばなしのダンス」では近藤良平、伊藤千枝、井手茂太らがおなじみの昔話をダンス化し各地のホールでの上演にもつながっている。「dancetoday」では金森穣、中村恩恵、大植真太郎、伊藤郁女、KENTARO!!、島地保武+酒井はな(アルトノイ)、関かおりを起用した。

 「若手ダンサーや振付家/アーティストに創作と公演の機会を提供することをプロデューサーとしては前から意識していましたが、さいたまに来てから新たに意識したのは多様な世代や好みのお客様にも劇場に来ていただくことと子供も大人も一緒に楽しめるダンス企画にも挑戦するということでした。
 「日本昔ばなしのダンス」は昔ばなしのストーリーをそのままなぞらなくてもいいという創作の自由度と引き換えに『子供向けではなく親子が共に想像力を使って作品に参加して一緒に楽しめるもの』というハードルを設定しました。これがやってみると簡単なことではないと分かってきたのですが、それでも続けています。子供の笑い声の反応ってタイミングがそれぞれ違っていて面白いです。
 「dancetoday」は若手のダンサーや振付家にもさいたまの劇場で公演していただきたいという思いからシリーズ化を考えてスタートしました。海外で活躍してきた日本人の振付家やダンサーが日本で活動していく場も提供したいという思いから始めました。でも、さいたまの小ホールはエリザベス朝のグローブ座型なので現代のダンスには使い勝手がいいとはいえなくて悩ましいところです。
 これらのシリーズは今後さらに多様な視点を持って、これまでと違うかたちでも発展させていきたいですね」

「日本昔ばなしのダンス」2006年公演より コンドルズ選抜メンバー『ねずみのすもう』 photo:Arnold Groeschel


2016年~2017年の多彩なプログラム

 2016年~2017年度のラインアップは豪華かつ埼玉ならではのものといえる。まず最初は2015年5月7日(土)~8日(日)に上演されるアクラム・カーン&イスラエル・ガルバン『TOROBAKA-トロバカ』。バングラデシュ系イギリス人のカーンはインドの古典舞踊カタック出身で、ガルバンはスペイン出身でフラメンコに革新をもたらす俊英だ。

 「数年前からスペインにイスラエル・ガルバンという異才がいるという噂をヨーロッパのプロデューサーから聞いていました。彼の『Turba』というソロを3年ぐらい前にリヨンで観ましたが、これまで誰もやったことがないことをやるんだという気迫が見えるステージで、存在感があり今後が楽しみなダンサーだなと感じました。
 カーンについは、さいたまで『ゼロ度』や『DESH-デッシュ』を公演していますので日本の現代ダンスファンにはおなじみ。カーンはギエムや女優のジュリエット・ビノシュとも組んで、相手方と技術や感性を交換させながら作品を創ってきました。
 彼がガルバンと組むと聞いて興味を惹かれました。インド舞踊とフラメンコという民族舞踊を出自にして新しい言語を生み出そうとしている二人の身体言語コミュニケーションですから。異種多様な異文化の共生というか今の自分たちを取り巻く社会的な状況をさりげなく作品に込めてもいます。ガルバンの野生のヒョウみたいなダンスには脱帽するのみ(笑)。生演奏も付いていて演奏家も踊ったりします。すごく楽しみな作品です」
 ※残念ながらガルバンの膝の怪我により公演中止(2016年4月7日発表、取材は3月下旬に実施)

アクラム・カーン&イスラエル・ガルバン『TOROBAKA-トロバカ』 photo:Jean-Louis Fernandez

 2006年以降毎年のように新作を発表してきたのが近藤良平率いるコンドルズ。学ランをトレードマークにダンスありコントありと多彩なアイデアで観客を楽しませる人気者だ。2016年6月18日(土)~19日(日)に新作『LOVE ME TenDER』を発表する。

 「ご存知のようにこの劇場は2005年までは海外、特にヨーロッパの有名な振付家のダンスにほぼ特化したプログラムになっていました。そこで国内で活躍するアーティストにも開かれた場にしたいと考えた訳です。大ホールを使いこなせて地元のお客様も惹きつけられる存在として神奈川時代の90年代末に一度新作を共同製作したけれど、その続きができないでいたコンドルズに登場して貰いました。
 『勝利への脱出』(2006年)というタイトルはサッカー日本代表を意識しています。ドイツ、ベルギーなどサッカーの強豪国のダンスカンパニーが公演してきたこの劇場に日本代表コンドルズ!みたいなタイトルを持ってくる(笑)。そのコンドルズならではのジョークや意気込みがよかったです。改修工事で1年休館になる前には『ロングバケーション』(2011年)というタイトルでした。今年は10作目となるので、それにかけて『LOVE ME TenDER』。遊び心ですよね。
 埼玉でのコンドルズ公演に対して『他の劇場での公演とは一味ちがってコンドルズ作品が一番かっこよく見える!』という声を数年前からアンケートで目にするようになりました。地元のお客様も年々増えて、気が付くと毎年初夏恒例になっていました。このあたりの自然な流れも悪くないかなあと」

コンドルズ埼玉公演2015『ストロベリーフィールズ』 photo:HARU

 2016年10月末にはフィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCAの最新作『CONTACT-コンタクト』を上演。鬼才ドゥクフレによる楽しさ満載の舞台は世界中で愛されている。

 「一昨年さいたまで上演した『パノラマ』はドゥクフレの80年代~90年代のベストシーンを編集しパノラミックに見せたものですが、『CONTACT-コンタクト』は2014年の新作です。ゲーテの「ファウスト」をベースに奇想天外なシーンが展開されます。フィリップの作品は出演者一人ひとりのキャラクターが際立つものです。ダンスやオリジナルライブ音楽に加え映像や影絵、ヌーボーシルクなアクロバット、シュールな舞台装置を駆使し、天国や地獄なんかも出てきて世代を超えて楽しめる鮮やかな作品になっています。
 フィリップは近年、シルク・ド・ソレイユに新作を提供したりクレイジー・ホース(パリの著名なナイトクラブ)の演出もしていたりするし、現在はブロードウェイにいて今年6月初演のミュージカルの準備をしていると聞いています。アーティスティックな方向性をためらわずに拡げながらドゥクフレ作品は絶え間なく変貌している印象を受けます。フレンチキャバレー風にショウアップされた新作に対する、埼玉のお客様の反応にドキドキしています」

フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA『CONTACT-コンタクト』 photo:Laurent Philippe

 2017年3月16日(木)~19日(日)にはピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団が名作『カーネーション』を上演する。「ヨコハマ・アート・ウェーブ’89」にて上演され、その舞台は語り草だ。2009年に世を去った亡きバウシュへの思いとは。

 「20世紀後半のダンス界を一変させたピナが2009年に急逝してからもヴッパタール舞踊団はピナのレパートリーを踊っています。さいたまでは2013年に当劇場では公演していなかったピナの代表作のひとつ『コンタクトホーフ』を日本では28年ぶりに招聘しました。公演前のリハーサルの時にピナがいつもの指定席で舞台を観てダメ出ししている姿や、仕事の後でゆったりとタバコ吸いながらワインを飲んでいる姿がもうないというのにはもの凄い欠落感を感じました。でも、たくさんの日本の若いダンサーたちが観に来てくれて『凄い作品!現代ダンスのすべてが既に試みられたいたんだ!!』という感慨深い感想が聞けて嬉しかったです。
 次には私自身にとっても記念的な作品だった『カーネーション』をやりたいと考えていました。1989年以来ですから日本の観客にとっては27年ぶりの公演です。舞台一面に咲いている数えきれないカーネーションの中で、ルッツ・フェルスターが手話で踊ったガーシュインの『The Man I Love』は、多くの皆さんがヴェンダース映画(『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』)などでもご覧になっているかと思います」

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『NELKEN-カーネーション』 photo:Laszlo Szito

 公演事業以外には次世代育成、ダンス普及事業として2014年から「MEET THE DANCE~アーティストが学校にやってくる!」というシリーズを実施し中学校に出向いてのワークショプに取り組んでいる。

 「中学校でダンスが必修科目になったこともあって2年前から普及事業に取り組んでいます。今中学校のダンスの授業ではストリートダンス系が90%を占めると聞いているので、そうじゃないダンスもあることを体験して欲しい。振付家・ダンサーで、内外で活躍中の岩渕多喜子さんに講師をお願いしています。中学生の時にリズムや身体だけではなく想像力もフルに使ってダンスを体験してもらうのは柔軟な思考の養成にも繋がるかなと。彼らが大学生や大人になり劇場の観客になってくれればいいなと思っています」

「MEET THE DANCE~アーティストが学校にやってくる!」2014年 小鹿野町立両神中学校 photo:Matron

 埼玉県という地縁を大切にした2つの提携公演も注目される。

 「2008年から埼玉県舞踊協会と2年に一度「ダンスセッション」という企画をやっています。今回は瀬山亜津咲さん(ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団)の作品(2017年2月)も上演されます。もうひとつは所沢市を拠点とするNBAバレエ団の公演「BREAK THE MOLD(仮称)」(2016年12月)。NBAバレエ団はアメリカのコロラド・バレエ団で活躍された久保綋一さんが芸術監督になって、これまでにない多様なスタイルの作品を提案しています。ダンサー育成にも力を入れているので今後が楽しみ。久保さんがコロラド時代に何度となく踊ったというバランシン振付の躍動的でパワフルな『スターズ&ストライプス』と平山素子さん、ダレル・グランド・ムールトリーさんの新作という野心的なプログラムになっています」

 最後に今後の彩の国さいたま芸術劇場でのダンス事業の展望・期することを伺った。

 「海外からのトップレベルのダンス公演招聘の路線については、さいたまならではのプログラムと評価していただいているので、そこはできれば維持していきたい。他にはこの劇場の稽古場や映像ホールやアーカイブを有効に活用する企画を新たに始めたいと模索しています。次の世代に活用していただくためにも。『今の日本のダンス界には何が必要か』を改めて謙虚に考えて次の展開を打ち出したいと思っています。あとはこれまでもそうでしたが公立劇場間の共同製作ネットワーク事業を発展させたい。製作予算には限りがあるので劇場や創る人たちのパワーを結集してアーティストが思い切り創作活動をできる状況を創っていきたいですね」

【彩の国さいたま芸術劇場 2016年度 ダンス関連事業】


アクラム・カーン&イスラエル・ガルバン『TOROBAKA-トロバカ』(2014年初演)
※公演中止
日程:2016年5月7日(土)開演15:00、8日(日)開演15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付・出演:アクラム・カーン、イスラエル・ガルバン
料金(全席指定・税込):
一般 S席6,000円/A席4,000円/U-25* S席3,500円/U-25* A席2,000円

コンドルズ 埼玉公演2016新作『LOVE ME TenDER』
日程:2016年6月18日(土)開演14:00/19:00、19日(日)開演15:00
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
構成・映像・振付:近藤良平
出演:コンドルズ
料金(全席指定・税込):
一般 S席5,000円/A席3,500円/U-25* S席3,000円/U-25* A席2,000円
※当日券は各席種ともに+500円 ※好評発売中

フィリップ・ドゥクフレ カンパニーDCA『CONTACT-コンタクト』(2014年初演)
日程:2016年10月28日(金)19:00/29日(土)・30日(日)15:00
(上演時間:100分予定/途中休憩なし)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
出演:カンパニーDCA
料金(全席指定・税込):予定なので変更の可能性あり
一般 S席6,500円/A席4,000円/U-25* S席3,500円/U-25* A席2,000円
チケット発売:6月26日(日)

ピナ・バウシュ ヴッパタール舞踊団『NELKEN-カーネーション』(1982年初演)
日程:2017年3月16日(木)・17日(金)開演19:00、18日(土)開演15:00、19日(日)開演14:00
(上演時間:110分予定/途中休憩なし)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出・振付:ピナ・バウシュ
出演:ヴッパタール舞踊団
料金(全席指定・税込):
一般 S席11,000円 A席7,000円 B席5,000円/U-25* S席7,000円 U-25* A席5,000円 U-25* B席3,000円
※チケット発売:10月下旬頃を予定
※U-25:公演時25歳以下対象。入場時要身分証。

MEET THE DANCE~アーティストが学校にやってくる!
講師:岩淵多喜子(振付家・ダンサー)
日程:調整中
会場:埼玉県三芳町立東中学校

(以上)主催・企画・制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団

【提携公演】 NBAバレエ団 『Break the Mold』(仮)
日程:2016年12月2日(金)~4日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
主催:NBAバレエ団

【提携公演】ダンスセッション2017
日程:2017年2月5日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
主催:埼玉県舞踊協会

※公演情報は2016年4月現在のものです。やむを得ぬ事情で公演内容を変更することがございます。予めご了承ください。