魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展
ニジンスキー着用の『青神』の衣裳も

—6月18日〜 9月1日 国立新美術館で開催中—

 バレエ・リュス(ロシア・バレエ)の華麗な衣裳の数々を展示した<魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展>が、六本木の国立新美術館で開催中である。ディアギレフ率いるバレエ・リュスは、1909年パリでセンセーショナルなデビューを飾って以来20年間にわたって欧米を舞台に活動、その革新的な芸術運動は伝説となり、誕生から一世紀以上たった今日においてもなお芸術を愛する人々を魅了してやまない。

レオン・バクスト
「女王タマールの友人」、「女王タマール」、「レズギン人」の衣裳(《タマール》より)1912年頃
オーストラリア国立美術館

今回は、オーストラリア国立美術館が所蔵する世界屈指のバレエ・リュスのコスチューム・コレクション32演目、約140点が、デザイン画や公演プログラムなどの資料と併せて公開の運びとなった。
 展示品は次の4期のテーマごとに陳列され、バレエ・リュスの作風の変遷をたどることができるようになっている。

  • Ⅰ.活動初期 1909—1913(ロシア・シーズン)
  • Ⅱ.中期 1914−1921(モダニスムの受容)
  • Ⅲ.後期 1921−1929(モンテカルロ)
  • Ⅳ.バレエ・リュス解散後(バレエ・リュス・ド・モンテカルロを中心に)

『コメディア・イリュストレ』特別版
(No.16、1912年5月15日)
オーストラリア国立美術館

E. O. ホッペ
《火の鳥》 ─ タマラ・カルサヴィナとアドルフ・ボルム 1913年
オーストラリア国立美術館

オーギュスト・ベール
《薔薇の精》─ニジンスキー 1913年
オーストラリア国立美術館

 バクストからブノワ、マティス、ブラック、ゴンチャロワ、ラリオノフ、ドラン、デ・キリコなど錚々たるアーティストたちによってデザインされた衣裳はどれも色彩鮮やかで、展示室に足を踏み入れた瞬間、バレエ・リュスの時代にタイムスリップしたような気分になれる。中には、天才舞踊手ワツラフ・ニジンスキーが着用したという『青神』(デザインはバクスト)や『ペトルーシュカ』(ブノワ)といった貴重な衣裳もあり、今にも舞踊の神の魂が蘇ってきそうだ。

レオン・バクスト
「青神」の衣裳(《青神》より)1912年頃
オーストラリア国立美術館

 Kバレエ・カンパニーの熊川哲也氏が音声ガイドを務めているのも話題。オープニングに会場を訪れた熊川氏は、興奮気味にこう語った。 「会場に入った途端、生きた空気、先人たちの息づかいを感じました。お気に入りは、自分も踊ったペトルーシュカの衣裳ですが、ここに展示されたもの全部ほしいですね」

レオン・バクスト
「シャー・ゼーマン」の衣裳(《シェエラザード》より)1910-30年代
オーストラリア国立美術館

 本展の企画者であるロバート・ベル氏(オーストラリア国立美術館装飾芸術・デザイン部門シニア・キュレーター)によれば、今回展示されたコレクションは、オーストラリア美術館が1973年から収集したもの。「バックステージにいるような感覚になってもらえるよう、衣裳を360度どの角度からも見られるように展示しました」と解説する。収集のいきさつや修復のエピソードなどについては、展覧会カタログに詳しく載っているので、じっくり読んでみるといいだろう。

レオン・バクスト
「ニンフ」の衣裳(《牧神の午後》より)1912年頃
オーストラリア国立美術館

 講演会などの関連イベントも充実。バレエ・リュスの展覧会が国内でこれほどの規模で開催されるのも珍しく、この機会にぜひ足を運んで魅惑の世界に浸ってほしいものだ。



◇講演会「バレエ音楽の歴史とバレエ・リュス」

6月22日(日)14:00−15:30

講師:福田一雄氏(指揮者)※終了


◇講演会「ディアギレフ--美を追い続けた男」

7月6日(日)14:00−15:30

講師:鈴木晶氏(舞踊評論家、法政大学教授、早稲田大学大学院客員教授)


◇講演会 「バレエ・リュスの功績」

7月13日(日)14:00−15:30
講師:薄井憲二氏(公益社団法人日本バレエ協会会長)


◇上映会

「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」
(監督:ダン・ゲラー、デイナ・ゴールドファイン 2005年、118分)

6月21日(土)および8月16日(土)10:30、13:00、15:30
※字幕あり

※定員250名(先着順、各上映会の入れ替えなし。整理券の配布なし。)


◇解説会

7月11日(金)、8月15日(金)両日とも18:30−19:00

講師:本展担当研究員



【会期】

  2014年6月18日(水)〜9月1日(月)

  毎週火曜日休館。但し、8月12日(火)は開館

【開館時間】

  10:00〜18:00 金曜日、8月16日(土)、23日(土)、30日(土)は20:00まで。
  入場は閉館の30分前まで。

【観覧料】

  一般¥1,500 大学生¥1,000 高校生¥600

【会場】

  国立新美術館 企画展示室1E
  〒106—8558 東京都港区六本木7−22—2
  <最寄り駅>東京メトロ:乃木坂、六本木
  お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
  展覧会ホームページ:http://www.tbs.co.jp/balletsrusses2014