新国立劇場2015/2016シーズンの
ラインアップ発表
バレエは新制作『ホフマン物語』で開幕
NEW NATIONAL THEATRE TOKYO 2015/2016 SEASON

 新国立劇場2015/2016シーズンのラインアップ説明会が1月16日、オペラの飯守泰次郎、舞踊の大原永子、演劇の宮田慶子の三部門芸術監督出席のもと行われた。

今シーズン開幕公演『眠れる森の美女』 ⓒ鹿摩隆司

 大原体制の2シーズン目となるバレエ・ダンス部門は、バレエ6演目のラインアップで、新制作が2本登場する。

 開幕は新制作の『ホフマン物語』(音楽オッフェンバック、編曲:ジョン・ランチベリー)。英国の名振付家ピーター・ダレル(1929〜87)が1972年スコティッシュ・バレエ団のために創作した演劇的バレエで、世界各国のバレエ団で上演されている名作である。今回の上演では、日本人スタッフによるデザインで装置(川口直次)と衣裳(前田文子)を一新して新国立劇場版として現代に蘇らせるのがポイントだ。主人公のホフマンを魅了する女性主役3キャスト全てを踊り、ダレル作品の魅力を知り尽くした大原監督ならではの選択といえよう。バレエ団の才能あふれる人材がいかに活用されるか大いに期待したい。

『ホフマン物語』(スコティッシュ・バレエの舞台から)ⓒBill Cooper

 12月は、家族揃って楽しめる『くるみ割り人形』(牧阿佐美演出・改訂振付)。新年1月は、趣向を変えて<ニューイヤー・バレエ>と題したミックス・プロを上演。『ライモンダ』第3幕など古典バレエの名場面をはじめ、ソリストの貝川鐵夫振付『フォリア』が再演されるのも楽しみ。

 2月はブルノンヴィルのロマンティック・バレエ『ラ・シルフィード』と日本初演となるウェイン・イーグリング振付『Men Y Men』(2009年初演)の2本立てが上演される。シルフィードを持ち役とした大原監督がステージングを担当し、名作の真髄を伝えてくれることだろう。

『ラ・シルフィード』ⓒ瀬戸秀美

 5月は、アレクセイ・ファジェーチェフ版『ドン・キホーテ』、シーズン最後は、前舞踊芸術監督のデヴィッド・ビントレーが新国立劇場のために2008年に制作した『アラジン』が好評に応えてアンコール上演される。

『アラジン』ⓒ瀬戸秀美

 大原監督は、「昨年就任してから上演された『眠れる森の美女』と『シンデレラ』が好評で、順調に進んでいる。質のよい公演を提供して、一人でも多くの方にご覧いただきたい。ダンサーの強化には引き続き力を入れていきたい」と抱負を語った。  なお、配役について未定の部分があるのは、団員の上達ぶりを期待しつつ、役にふさわしい旬の人材を配役したいという監督の意向によるもの。こうしたシステムによって、新人が抜擢される可能性が生まれ、観客にとっても若い才能を見出せるよい機会となるだろう。  一方、ダンス公演のラインアップは、4演目5公演。2016年3月の<DANCE to the Future 2016>では、2014年新国立劇場バレエ団のために振り付けられたジェシカ・ラングの『暗やみから解き放たれて』が再演されるなど、現代作品をレパートリーに定着させようという積極性が伺える。

2014年11月『眠れる森の美女』よりオーロラ姫(米沢唯)と王子(ムンタギロフ)ⓒ鹿摩隆司

2014年12月『シンデレラ』よりシンデレラ(寺田亜沙子)と王子(井澤駿)ⓒ瀬戸秀美

アンサンブルの魅力で楽しませる
〜3月公演 トリプル・ビル Triple Bill〜

 2月の『ラ・バヤデール』全幕公演に続く3月の<トリプル・ビル>では、バランシンがチャイコフスキーの音楽に振り付けた『テーマとヴァリエーション』に、ナチョ・ドゥアトがドビュッシーの音楽に触発されて創作した『ドゥエンデ』、それにロバート・ノース振付の『トロイ・ゲーム』が上演される。  新制作の『トロイ・ゲーム』は、1974年ロンドン・コンテンポラリー・ダンス・シアター(LCDT)で初演。ブラジルのパーカッション音楽に乗った男性舞踊手のみによって踊られる作品で、古代ギリシャの戦士たちをモチーフに、闘争シーンあり、人間ジャングルジムありの勇猛果敢かつ痛快なバレエ。日本では、80年代にシュツットガルト・バレエの来日公演などで上演されたことがある。  1月下旬、ジュリアン・モス氏を指導に迎えたリハーサルを取材。

2015年3月公演『トロイ・ゲーム』。モス氏の指導の下、リハーサルが進む。

この日は8人ずつ2組による通し稽古が行われた。稽古場には、体当たりでリハーサルに励むダンサーたちの熱気が充満。モス氏は、ロンドンのコンテンポラリー・ダンス・シアターで活躍し、ノースのアシスタントも務めた。『トロイ・ゲーム』を初めて見たのは75年で、ぜひ踊りたいと思い、後年夢が叶った。88年から作品の振り移しをするようになり、ミラノ・スカラ座はじめ、カナダ、ノルウェーなど既に世界50カ所で上演しているという。  新国立劇場バレエ団については、「まだリハーサル8日目なのに、もう舞台で上演できる状態なのに感心。あとは、個人個人のキャラクターを磨いていってほしい。この作品は、コール・ド・バレエで踊るのとは違って、各自の得意なものを見せるチャンスがある」と期待のほどを語った。


【INFORMATION】

  会場: 中劇場

  日程: 3月14日(土)2:00 小野絢子&福岡雄大
        15日(日)2:00 米沢唯&菅野英男
        19日(木)7:00 長田佳世&奥村康祐
        21日(土)2:00 小野絢子&福岡雄大
        22日(日)2:00 米沢唯&菅野英男

      ※キャストは『テーマとヴァリエーション』のプリンシパル。
      他は、新国立劇場ウェブサイトで発表予定。

  料金: S10,800円〜D3,240円、Z1,620円


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【2015—2016シーズン公演日程】

【バレエ】
  会場: オペラパレス

  日程: ◆『ホフマン物語』2015年10月30日〜11月3日
      ◆『くるみ割り人形』12月19日〜27日
      ◇ <ニューイヤー・バレエ> 2016年1月9,10日
      ◇『ラ・シルフィード』『Men Y Men』2月6日〜11日
      ◇『ドン・キホーテ』5月3日〜8日
      ◆『アラジン』6月11日〜19日

  料金: ◆ 印公演: S12,960円、A10,800円、B7,560円、C4,320円、D3,240円
             Z1,620円
      ◇ 印公演: S10,800円、A8,640円、B6,480円、C4,320円、D3,240円
             Z1,620円

【ダンス】
  日程: ◆ 近松DANCE弐題
      ・Aプロ『エゴイズム』2015年10月9日〜11日小劇場
      ・Bプロ『近松の女』 10月16日〜18日小劇場
      ◆ DANCE to the Future 2016 2016年3月12、13日 中劇場 
        NBJ Choreographic Group作品、
        ジェシカ・ラング『暗やみから解き放たれて』
      ◇ 平山素子「ハイブリッドーリズム&ダンス」3月25日〜27日 中劇場
      ◆ 高谷史郎(ダムタイプ)「CHROMA(クロマ)」5月21、22日 中劇場

  料金: ◆ 印公演: A5,400円、B3,240円、Z1,620円
      ◇ 印公演: S6,480円、A4,320円、B3,240円、Z1,620円

【問い合わせ】
      新国立劇場ボックスオフィス
      TEL.03-5352-9999
        http://nntt.jac.go.jp/