BOLSHOI BABYLON 『ボリショイ・バビロン 華麗なるバレエの舞台裏』   2015年9月19日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開

 BOLSHOI BABYLON
 『ボリショイ・バビロン
    華麗なるバレエの舞台裏』
2015年9月19日(土)より
Bunkamuraル・シネマほか
全国順次公開

 2013年1月、ボリショイ・バレエの元スターダンサーで、芸術監督のセルゲイ・フィーリンが何者かに硫酸をかけられ、失明の危機に陥った事件は全世界に衝撃を与えた。世界最高峰のバレエ団でなぜこのような暴挙が起こったのか、様々な憶測が渦巻いた。

 事件の直後、混乱の最中にあるボリショイ劇場内部に入り、史上初めて撮影を許されたのがBBCの撮影チーム。このほどドキュメンタリー映画『ボリショイ・バビロン』が完成し、今秋より全国で公開の運びとなった。プロデュースはアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を2度受賞したサイモン・チン、監督はニック・リード。13年7月にウラジーミル・ウーリンが新総裁に着任して撮影が許可され、2013/14シーズンの開幕から約5ヶ月にわたって収録された。250人のダンサーと3,000人のスタッフが華やかなパフォーマンスを創り上げるために働くボリショイ劇場。しかし、内部は二分されていた。巨大なバレエ帝国の秘密の扉がいまここに開かれる。

 映画は、団員のパーヴェル・ドミトリチェンコが犯人として逮捕され、裁判に至る事件の経過を追いながら、バレエにひたむきに打ち込むダンサーたちの姿をとらえる。こうしてロシアの象徴としてのボリショイ、あるいは国家の「秘密兵器」としてのボリショイの姿が浮かび上がっていく。とりわけダンサーやスタッフたちから発せられる本音の一つ一つに重みがある。

 「みんな強い個性の持ち主で夢と野望を抱いている。だから生存競争はとても激しい」(バレエ・マスターのボリス・アキーモフ)
 「フィーリンが来てからバレエ団は二分された。私は敬遠され役が減った」(プリンシパルのマリーヤ・アラシュ)
 「芸術監督の仕事は人心掌握が一番難しい、いつもバトルだ」(芸術監督のフィーリン)
 「フィーリンとの関係は“ビジネス”だ」(ウーリン総裁)

 普通ならば隠しておきたい“秘密”を露にすることもいとわない。ここまでオープンになったことに驚きを禁じ得ないが、これは一刻も早く事件の後遺症から立ち直り、バレエ団が一丸となって世界最高のボリショイの威信を取り戻したいという願いにほかならないだろう。映画は、起死回生に賭けたニューヨーク公演の大成功で締めくくられる。昨秋日本公演が行われたのはこの直後のことで、世界に冠たるボリショイの威力を見せつけたのが記憶に新しい。

 この映画を見れば、バレエに縁のなかった人もバレエを見たいと思うようになるだろうし、バレエ愛好家はさらにボリショイに敬意を抱くことになるに違いない。

(2015年/イギリス/ロシア語・英語/87分)
© 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED

配給:東北新社
http://www.bolshoi-babylon.jp/

芸術監督セルゲイ・フィーリン © 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED

ボリショイ十八番『ラ・バヤデール』の影の群舞 © 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED

プリンシパルのマリーヤ・アレクサンドロワ © 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED

プリンシパルのマリーヤ・アラシュ © 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED

『白鳥の湖』のリハーサル。 © 2015 RED VELVET FILMS LTD. ALL RIGHTS RESERVED