アナニアシヴィリと『薔薇の精』を踊る
ジョージアで活躍する高野陽年

 名花ニーナ・アナニアシヴィリが芸術監督を務めるジョージア(グルジア)国立バレエのソリスト、高野陽年。今夏光藍社主催の<親子で楽しむ夏休みバレエまつり>の企画で『エスメラルダ』や『グラン・パ・クラシック』を溌剌と踊り、名門ワガノワ・バレエ・アカデミー仕込みの正統派の踊りを披露してくれたのが記憶に新しい。
 最近、アナニアシヴィリのパートナーに抜擢され、『薔薇の精』で共演するなど活躍著しく、本コラムのために、現地での舞台活動について次のようなコメントをお寄せいただいた。
 『薔薇の精』で共演したのは10月9日のトビリシ・コンサートホール。当日のプログラムは、『薔薇の精』のほかに、バランシン振付『セレナーデ』『シンフォニー・イン・C』が組合わされたもので、『シンフォニー・イン・C』の第3楽章のソリストも踊ったというから大活躍である。

●大バレリーナのオーラを浴びる
 「まさか芸術監督のニーナさんと一緒に踊る機会があるとは、僕のキャリアのなかであると思っていなかったのでとても光栄でした。母と同じくらいの年代なので、未だに信じられません。
 彼女はとてつもなく大きな舞台上でのオーラがあるので、それに潰されてしまわないよう自分のアーティスティックな面をアピールすることが大変でしたし、同時に薔薇の精は大変な技量と体力が必要とされるので、いかにリラックスして自分の踊りを見せようかと努力しました。けれども本番が始まる前は、初役で芸術監督が相手ということでいつも以上に緊張し、少し硬かったかもしれませんが、徐々に音楽が進むに連れて、彼女の胸を借りるつもりで伸び伸び踊ることができたと思います。」

●ポール・ド・ブラを重視
 「リハーサルでは、ニーナさんがボリショイ・バレエ団時代にライサ・ストルチコワ先生とこの作品を準備した時のニュアンスや注意点を含めて詳しく教えてもらいました。特にマリス・リエパの踊りを研究するようにと言われて、ひたすらポール・ド・ブラ(腕の動き)を練習していたこともありました。テクニック的なことは、僕にとってはそれほど問題なかったのですが、上体や腕の使い方がやはり難しく、いかに自己陶酔できるかが課題でした。
 バレエ団には、バレエ・リュスの作品はそう多くはないのですが、バランシン作品は10以上あります。やはり、バレエ・リュスの作品はテクニックや表現力、さらにはオーラまでも兼ね備えたダンサーが踊ることで見栄えがするので、これからさらに磨きをかけたいと思っています。ニーナさんとは12月にもう一回とツアーで何度か踊る予定です。」

 次の舞台は11月28日で、キリアンの『サラバンド』と『小さな死』を踊るという(指導はパトリック・デルクロワ)。今後の一層の活躍が期待される。

●高野陽年略歴  奈良県出身。2001〜08年エカテリーナ・マクシモワ記念木村公香アトリエ・ドゥ・バレエで学び、サンクトペテルブルグのワガノワ・バレエ・アカデミーに入学。2011年ミハイロフスキー劇場バレエに入団。2014年からグルジア国立バレエのソリストとして活躍中。

『薔薇の精』ⓒ Lado Vachnadze

『薔薇の精』ⓒ Lado Vachnadze

『薔薇の精』ⓒ Lado Vachnadze

『薔薇の精』ⓒ Lado Vachnadze